鬼門に猿?赤山禅院

京都では、紅葉を楽しむ観光客で賑わうシーズンが続いています。本日は、京都市左京区にある「赤山禅院(せきざんぜんいん)」を目指して、京都まちなか散歩へ参ります。

この「赤山禅院」は、平安時代に創建された、天台宗総本山延暦寺の塔頭の一つです。遣唐使の一人であった第三世天台座主「円仁」が、渡航を見守ってくれた赤山大明神への感謝を込め、京都の地でこの寺院の建立を誓いました。しかし「円仁」の代では建立には至らず、その後第四世天台座主となった「安慧」(あんね)がその遺志を引き継ぎ創建しました。

京都まちなか散歩を楽しむ方からは「もみじ寺」と呼ばれることが多い「赤山禅院」
しかしここには、紅葉だけではないさまざまな京都を護る智慧が廻らされています。かつて平安京では、方違えの風習があったように日常生活において、方位が極めて重要視されていました。

北東の方位は「鬼門」とされ、この「赤山禅院」も皇城表鬼門の鎮守とされていました。

そんなことを考えながら散歩の足を進めてみると、檻に閉じ込められた猿の像と対面します。京都では、邪気を払うことのできる猿は鬼門除けとされ、皇城を守るよう社殿の屋根に据えられていたとのことです。しかし、夜な夜な悪さをするので、逃げ出さないよう金網の中に封じ込めたと言われています。

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、以前散歩へ訪れた「御所」の猿が辻にも鬼門除けの猿がいましたが、同じく金網に入れられていました。さらに河原町今出川近くの「幸神社(さいのかみのやしろ)」も皇城鬼門除の石碑があり、ここにも鬼門除けの猿がいます。

日常の邪気を払いたい方は、こうした猿のいるスポットに絞って、京都まちなか散歩を楽しんでみるのも趣深いと思います。いずれの場所もパワースポットであるため、京都まちなか散歩を通じて心身ともに浄化できるかもしれません。

このように考えると、京(皇城)の表鬼門が北東の方位にあり、この鎮守としての鬼門除けの猿が、御所の猿が辻-幸神社-赤山禅院と一つのラインが浮き彫りになってきます。

ただ、私見として、「赤山禅院」の北東に位置する「崇道神社」も早良親王の鎮魂と同時に、皇城表鬼門の鎮守として建てられたのでは?と推理してしまいます。こうした歴史に対する推理や思索も京都まちなか散歩の醍醐味の一つだと感じています。

本格的な紅葉の季節に入ると、見事なもみじのトンネルが散歩客を迎え入れてくれる「赤山禅院」
天を仰ぐと空いっぱいの紅葉が広がり、目に鮮やかな風景に思わず時間を忘れてしまうでしょう。三十三観音周辺では、はらはらと落ちるイチョウの紅葉も、楽しむこともでき、散歩の足取りも軽やかになるでしょう。

紅葉を求めて京都へ訪れる方は、是非散歩道の候補の一つにいかがでしょうか。

参考URL
http://www.sekizanzenin.com/index.html

赤山禅院