まちなかぶらりん(西陣・職住一体のまち)

以前の京都まちなか散歩でも「西陣界隈」に触れましたが、このまちは京都の中でも多彩な顔を持っているまちです。視点を変えて散策してみると、見えないものが見えてくる面白さがあります。本日はそんな「西陣」の魅力を堪能できる京都まちなか散歩にしたいと思います。

「西陣」には、織物のまちとしての魅力だけでなく、職住一体となったスタイルが多く見られます。ものづくりや町家を再利用した店舗など、さまざまなまちの様相が見えて来ます。

今回の京都まちなか散歩をスタートさせるのは、前にも訪れました「一条戻橋」です。こちらを起点に「西陣界隈」をぶらりん散歩してみることにいたします。京都のまちなかでの思いがけない出会い、これはまちなか散策の醍醐味だと言えますね。

京都のまちでは、通りや路地(ろおじ)といったあちこちでお地蔵さんにお会いします。散歩をしていると、町内には必ずといっていいほどお地蔵さんが祀られており、子どもたちを温かい面持ちで見守ってくださっています。

京都の人たちにとっては当たり前の光景ですが、京都観光で散歩に訪れた方にとっては珍しいとお感じになるのでしょう、熱心にカメラのシャッターを切っている方も多く見られます。お地蔵さんに出会いながらの散歩は、疲れている場合であっても、心へ元気を与えてくださるようです。

散歩の足を進めて行きますと、思いがけないところに町家を利用したカフェがありました。オシャレな雰囲気だとは思うのですが、喫茶店育ちの私にとって、カフェという今風な感覚が難しく、どうもたじろいでしまいます。「中はどんなんやろ」と思うのですが、今のところ散歩をしながら、一歩引いた面持ちで眺めるだけの存在となっています。

さて、散歩を続けましょう。こちらは、かつておじゃまさせていただきました、「鎧廼舎・うさぎ塾」さんです。とても美しい都よろいをこちらの工房で作っておられます。

いただいたパンフレットには、
「心のこもった鎧作り」
手作り鎧兜と京都の伝統的な京くみひも、京房ひも、京金物を組み合わせた平安期の雅な威色目(おどしいろめ)を施した現代の鎧作り。
と案内されていました。

みやびな中に目を奪われるような美、その類まれなるバランスに感銘したことを覚えています。

鎧兜といえば、高貴であり敷居の高いものに感じるかもしれません。しかし、こちらの「うさぎ塾」さんではご自身の手で鎧兜を制作することも可能ですので、お時間の許す方は、お稽古を受け、自前の鎧作りに参加してみるのも面白いですね。

その他にも、西陣界隈には京都らしい風情の残るスポットが満載です。有名観光地のような派手さはありませんが、ちょっと裏道を散歩してみるだけで、これまで知らなかった新しい出会いがたくさん待っているでしょう。

参考URL
https://www.yoroinoya.kyoto/news/20210615

堀川一条