花を求めて(下御霊神社から御所、一条戻橋へ)

ここ数日、季節が春へ春へと勢いをつけて、進んでいくように感じます。爽やかな青天の下、暖かくなり始めた風を感じながら花を求め、京都まちなか散歩を楽しむことにいたします。そぞろ歩く先で、今日はどんな花たちと出逢うことができるでしょうか。

最初に訪れましたのは、京都市中京区にあります「下御霊神社」です。先日、新聞で「下御霊神社」の梅の記事を見かけて以来「早く逢いに行きたい」とうずうずしておりました。

散歩の足を境内へ進めて参りますと、すぐに本殿両脇にそびえる紅梅が目に飛び込んできます。高さ10メートルはあるでしょうか。ちょうど見ごろを迎えたようです。

逞しく広がった幹と、可憐な八重の花弁。厳かな本殿を彩るこの紅梅からは、華やかさや慎み深さ、そして芯の強さを感じることができます。

さて次は、京都まちなか散歩で度々訪れていますお気に入りの「京都御所」へ向かうことにいたします。季節が巡る毎に何度も訪れる「京都御所」ですが、この時期の楽しみは、なんといっても「梅苑」です。

「梅苑」へ到着すると、正に見ごろを迎えていました。「御所」の西側にあります「梅苑」には、約200本の梅が植えられております。品種によって開花の時期は様々で、1月下旬から3月下旬までの間、訪れるたびに春を感じることができます。季節の移ろいによっては、遅咲きの梅と桜を同時に愛でることもできます。

目の前に紅梅そして白梅が、活き活きと咲き誇り、本日は可愛らしい野鳥とも出会うことができました。春に心を躍らせているのは、私だけではないようですね。

こちらは今年真っ先に、春の訪れを伝えてくれた蝋梅です。年明けから開花を追いかけてきましたが、まだがんばって咲いていました。嬉しい再会です。

梅の花を満喫したところで、京都ぶらり散歩を再開します。この季節を彩る花は、もちろん梅だけではありません。そろそろ河津桜が見ごろではないかと、散歩の足が弾みます。

京都市内の中心部にも関わらず、河津桜を見ることのできる、とっておきのスポットをご紹介しましょう。

向かう先は、京都市上京区にあります「一条戻橋」です。様々な伝説や逸話を持つ橋で、パワースポットとしても人気があることは以前の記事でもお伝えしました。こちらには、河津桜が堂々と立っております。なんと美しく、品格ある姿でしょうか。

素晴らしい色のコントラストに、時間を忘れて見惚れてしまいました。街並みの景色に溶け込みながらも、圧倒的な存在感を放っています。通りすがりに思わず立ち止まり、眺めている方もちらほら見受けられました。

「一条戻橋」の河津桜は、様々な角度から楽しめるところも魅力です。橋の下から見上げてみたり、離れた場所から街を背景に取り込んでみたり。いろんな表情を持っていますので、写真を撮るのが楽しみな場所の一つであります。

こちらの桜はもう少しで満開になるようですので、その頃にもう一度足を運ぼうと思います。それにしても、京都の春散歩は楽しみが尽きません。どれだけの花を求めて散歩へ出かけることができるのか、毎年時間とのせめぎ合いと感じています。