東照宮がここにも!金地院

本日は京都まちなか散歩へ訪れる方へ、落ち着いた風情が感じられる散歩先をご紹介いたします。こちら京都市左京区にあります「金地院(こんちいん)」です。

「金地院」は臨済宗大本山南禅寺の塔頭です。室町幕府将軍「足利義持」が北山に創建し、その後「崇伝」により現在の地に移築されました。

「崇伝」と言いますと、方広寺鐘銘事件の鐘の銘文「国家安康」、「君臣豊楽」の一件を思い出しますが、この件に関わっていたかどうかは定かではないようです。

ただ、「家康」の信任が厚く重用されていたため、政治的な助言も行っていた可能性は高いと思われます。その証の一つとして、院内には「東照宮」があり「家康」の遺髪と念持仏が祀られていることが挙げられます。

少し思索しながら、いざ散歩の足が「金地院」へ着きますと、お寺の中に鳥居がありますので、少し不可思議さを感じます。「東照宮がこんなところに?」と驚いてしまうのですが、「家康」と「崇伝」の関係性を考えればさもありなんといったところでしょうか。

ご存知の通り「東照宮」は全国各地にありますが、京都まちなか散歩で訪れることができるのは、意外にもここ「金地院」のみです。京都市下京区にあります「東本願寺」にも幕末のわずか2年間のみ「東照宮」があったとのことですが、焼失によりその姿は失われてしまいました。

こちらが明智門です。「明智光秀」が母の菩提のため大徳寺に建立しますが、明治になって「金地院」へと移築されました。

「東照宮」です。厳かな気配が漂います

それでは、いよいよ京都まちなか散歩で楽しみにしている庭へと散歩の足を向けてみましょう。方丈前庭、特別名勝鶴亀の庭です。小堀遠州の作です。かなり広い庭ですが、白砂や大きな石の配置、東山を借景としているなど、意匠を凝らしていると感じられます。

また、名勝鶴亀の庭には亀島や鶴島、宝來連山に見立てた三尊石や東照宮の遥拝石がありますが、手前部分の枯山水には石が置かれていないことに気付きます。これは、見る人の想像力を高めることで脳裏に風景が浮かんでくるとのこと。しばし、京都まちなか散歩の足を休め、豪壮な風情に想いを馳せてみます。

「金地院」は、京都まちなか散歩の中でも、比較的観光客が少なく静かに景色を楽しめることもでき、大人ののんびり散歩におすすめの寺院です。

特別拝観を申し込むことで見学できる、京都三名席の一つでもある茶室(八窓席)も有名ですので、京都へ観光に来られる際には拝観期間を確認の上、ぜひお越しください。

参考URL
https://ja.kyoto.travel/search-keyword.php?keywords=%E9%87%91%E5%9C%B0%E9%99%A2

金地院