末にあはむとぞ思ふ!白峯神宮

京都をはじめ、日本には八百万の神々がおられると言いますが、中にはスポーツの神様もいらっしゃいます。大きく分類すれば散歩もウォーキングというスポーツの一つですから、今後の京都まちなか散歩の安全を祈願して、本日はスポーツの守護神がいらっしゃる「白峯神宮(しらみねじんぐう)」へと足を運んでみることにいたします。

「白峯神宮」は京都市上京区にあります。堀川今出川を少し西にぶらりと散歩をして行きますと、社を見つけることができます。

境内へと散歩の足を進めてみますと、京都で蹴鞠が愛されていたことに由来する「まり」の守護神「精大明神」が祀られていました。蹴鞠の碑もあり、サッカーをはじめとする様々な公式球が奉納されているとのことです。

他の神社ではあまり見かけることのない、闘魂の文字が入った御守やリストバンド、マグネットなども並んでいましたので、スポーツをされている方は京都土産にいかがでしょうか?

4月14日、7月7日には蹴鞠保存会による蹴鞠奉納を観覧することもできます。平安の時代を思わせる衣装を身にまとい、昔ながらのスタイルで京都に伝わる蹴鞠の文化を伝承しています。

また、スポーツだけでなく、これからご自身や身内の方が受験や試験を控えているという場合も是非「白峯神宮」へ京都まちなか散歩に訪れてみて下さい。ボールを落とさずに楽しむ蹴鞠にあやかって、「落ちない」「落とさない」という縁起の良さを持つ神社でもあります。

その他にも、季節の花や霊木を鑑賞したり、清少納言ゆかりの手水舎があったり、弓の名手で合った源義経の祖父(為義)、叔父(鎮西八郎為朝)が祀られる伴緒社など、様々な楽しみ方がありますので、京都まちなか散歩で様々な文化に触れたいという方にはおすすめのスポットです。

こちらへ散歩に来るまで存じ上げていなかったのですが、「白峯神宮」の御祭神は「崇徳天皇」と「淳仁天皇」であり、境内には「崇徳天皇」の歌碑が残されています。

「瀬をはやみ 岩にせかるる 瀧川の われても末に あはむとぞ思ふ」

という恋の歌です。

現在放映中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」の中で、落語家兄弟弟子の心の機微を繊細に映していましたが、キーワードになるのがこの歌を元に作られた「崇徳院」という噺でした。

大雑把で申し訳ないのですが、ある若旦那が神社に詣で、そこで娘さんと出会います。茶店を去り際に、茶袱紗を落とした娘さん。若旦那はそれを拾いあげ、手渡した際に娘さんから上の句の短冊を渡されるのですが、下の句を思い出した若旦那は一目惚れし、恋わずらいに陥ります。その後、この娘さん探しへと噺が続いていく大作の落語だということです。

歌の内容としては、「仲を割かれても将来は一緒になろう」という強い恋心を詠っているのですが、噺では「今日のところはここでお別れしますが、いずれのちに必ずお目にかかれますことを願っています」という淡い恋心にも似た心情を、娘さんは伝えたかったのだと思います。

こちらへ散歩に来たことで、またの機会にじっくりとこの噺を聞いてみたいと思いました。歌も噺も似合う京都のまちの良さを、また一つ発見した散歩でもありました。

参考URL
shiraminejingu.or.jp

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