まちなかぶらりん(妖怪ストリートから市五郎大明神へ)

妖怪たちが練り歩く「百鬼夜行」をご存知でしょうか?

「百鬼夜行に出会ってしまうと死んでしまう」と、百鬼夜行日には外出を控えていたような時代もあったそうです。

ところで京都には、その百鬼夜行の通り道だと言われている場所があります。それが現在では名を変え「一条妖怪ストリート」として親しまれています。本日はこの「妖怪ストリート」を京都まちなか散歩のスタート地として、まちをぶらりんしてみましょう。

京都は似たような場所が多いですから、散歩道が分かりにくい方は、千中(千本中立売)から西へぶらぶら行ってみましょう、すると、右手に行けば天神さん(北野天満宮)、そのまままっすぐ行けばもともとは「下の森」と呼ばれた地にある「京都大将軍商店街」へと続きます。ちょうどこの辺りが「一条妖怪ストリート」の入り口となり、西大路通までさまざまな妖怪とひょんな感じで出会います。

こちらは昔ながらの良さを持っている商店街ですから、京都の定番散歩先に飽きてしまった方にもおすすめのコースです。

毎年秋には「一条百鬼夜行」と銘打ち、様々な妖怪に扮した人たちが大集合。子どもから大人まで楽しめるイベントになっていますので、京都観光や散歩に時期が合うようでしたら、一度見てみるのも面白いですよ。10月の第三土曜日に開催されるとのことです。

参考URL
http://kyoto-taisyogun.com

「妖怪ストリート」をゆっくり楽しみながら、京都まちなか散歩の足を進めて行きますと、「大将軍八神社」があります。ここは、平安京遷都に際し皇城鎮護のため、まちの四方に祀られた大将軍社の一つとされています。

東の守護は地下鉄東山駅近くに建つ「大将軍神社」、西の守護はここ「大将軍八神社」、南の守護は藤森神社境内にある「大将軍社」、北の守護は今宮神社境内にある「大将軍社」ですので、ぐるりと散歩している方もおられるようです。

「大将軍八神社」の近くに紙屋川という細い川が流れているのですが、本日はこれに沿って円町(西大路丸太町)よりさらに下がり、少し意外な散歩スポットを目指します。石板に「名水 壺井」と彫られたこの井戸です。

京都市円町より西南に位置するのですが、ここはちょうど「御土居(おどい)」のあたりになります。「御土居」とは、豊臣秀吉が都市改造の一つとして京都の周囲に築いた土塁で城塞を兼ねた防災施設です。

江戸時代、この井戸の近くに西土手刑場がありました。六角獄舎より出された罪人はこの壺井の井戸で一杯の水を与えられ、その後斬首となります。京都の地理を考えるにおそらく、近くに流れる紙屋川で斬首されたのではないかと思います。あくまでも私の推理ですが。

井戸には水はなく壺井地蔵が置かれておりましたので、まちなか散歩の足を止め、静かに手を合わせました。ここからさらに散歩の足を進めますと、「市五郎大明神」があります。この「市五郎大明神」は京都の散歩先の中でも、自然を多く感じられる場所で大変気に入っております。

この社は、先ほどもお話しした「御土居」の上に建てられています。ここでは、「御土居」の上まで散歩できます。現在はその一部しか残っておりませんが、改めて「御土居」がどれほどに巨大かつ高いものだったのか、その身で体感することができます。

大将軍八神社