ほんの少しだけ「無」になれた?東福寺
京都まちなか散歩にてあちこちぶらりと足を伸ばしていますが、できるだけ人の少ない散歩道を選んで歩く傾向があります。国際観光都市京都ですから仕方が無いことなのですが、紅葉やお花見と言った特別混んでいる時期は、どうしても定番の散歩スポットを外して歩く私です。
そんな訳で、大勢の人をかき分けて京都まちなか散歩へ行くのはどうも苦手で先送りしてきたのが「東福寺」です。
紅葉の時期、通天橋はとてつもない人が押し寄せる、京都でも有数の紅葉スポットで有名です。今回はあえて春のタイミングを狙って、京都まちなか散歩へ行ってみることにしました。
「東福寺」は京都駅から一駅の距離で、京都市東山区に位置しています。臨済宗東福寺派の大本山としても良く知られています。今回が初めての参拝だったのですが、寺院だけでなく、その庭の素晴らしさに感銘を受けました。
方丈庭園は、東西南北に4つの庭が配置され「八相の庭」と呼ばれています。重森三玲により完成されましたが、鎌倉時代の庭園が醸し出す素朴かつ朴訥な面を基調とし、禅と結びついた風格を感じます。
日ごろから、京都まちなか散歩の先で美しく手入れされた庭園を眺める機会が多く、これまで様々な臨済宗の寺院を訪れました。美しい庭園を前に静かに座ると、風景が自然と目に映ります。
そして、まちの喧騒や頭の中にある日常のあれやこれやの悩みが一旦静まり、知らないうちに半眼になっている(眠ってしまっているのではありません!)我に気が付くような経験を幾度かしました。
京都で庭園散歩を楽しまれている皆さまはこのような経験がおありでしょうか?
豊かな自然を前に、ほんとに僅かな時間ですが「無」になれたのかなと感じました。
次は寺の方へ散歩の足を向けてみます。まずは、国宝である三門が堂々と参拝客を迎えてくれました。本堂は明治に消失してしまった後、建て直されたものですが昭和時代の木造建築物としては最大級とのこと。実際にこの目でみると、その迫力に驚かされます。
再度庭園へと散歩の足を向けてみると、本坊庭園でハート形のサツキと出会いました。私は知らなかったのですが、京都へ訪れた散歩客から人気を博しているそうです。本日は少しだけピンク色だったのですが、見ごろの時期にはピンクのハートがお目見えするそうです。散歩の目に華やかで良いですね。
こちらの大きな建物は「東司」、とうすと読み、かつて修行僧が使用した便所とのこと。重要文化財にも指定されています。日本最古の禅宗式「東司」であり、一度の多くの修行僧が用を足せたことから「百雪隠(ひゃくせっちん)」と呼ばれる場合もあるのだそうで、珍しいなあと感慨深かったことを覚えています。
その他にも「東福寺」には、たくさんの見どころがあります。紅葉シーズンでなければ一日ゆったり過ごせる散歩先ですので、是非「無」を求めて歩いてみて下さい。参考までですが、下記のような秋の様子も少しご紹介します。
また、「東福寺」は大本山という大きな寺院のため、塔頭寺院も25に上ります。各寺院で自然の美しさや昔ながらの方丈建築、庭園などを眺めることができますので、ぐるりと京都まちなか散歩へ回ってみるのもおすすめです。
参考URL
https://tofukuji.jp/