まちなかぶらりん(市役所から下御霊神社)
歴史のまち京都ですから「京都市役所」もそんな界隈の一角、京都市中京区寺町御池に位置しています。庁舎はシンボリック的な存在で、かなり古めかしいと思っていましたが、意外にも1927年竣工とのことで昭和時代の建物になります。
とはいえ、その他の政令指定都市の市役所の中では最も古いそうですから、京都まちなか散歩の途中に眺めてみるのも面白いでしょう。本日はそんな方におすすめな「京都市役所」から「下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)」へとゆっくり散歩しつつ、まちなかぶらりんしてみます。
「京都市役所」といえば、かつて勤務先の労働組合で副委員長を1年間務めていた頃(社員で回り持ちです)、メーデーの日に庁舎前広場でデモンストレーションというのでしょうか、言われるままに行列で練り歩いたのを記憶しています。
かつて大学生の頃にはまだまだ学生運動が残っていましたし、大学当局と議論をしている学生も多くいました。しかしながら、時代の変遷でその影は非常に希薄になったと感じています。イデオロギーという言葉も、あまり耳にしなくなりました。
ここからは私見ですが、時代の変遷を大きく牽引したのは、インターネット、コンビニ、携帯電話の出現だと考えています。高度情報化社会への移行は、生活における大きな利便性をもたらしましたが、人間関係の疎遠も副産物として産み出したのではないかと懐疑しています。
散歩の道を歩いていても、いたるところにコンビニが看板を光らせていますし、散歩や観光先についてはスマホでチェックして歩いています。昔は散歩中に「〇〇神社はどっちですか?」と尋ねられることも多かったのですが、GPS付きの携帯やスマホが増えたことで、会話の機会もすっかり減ってしまったようです。
昔の京都を思い出していたら、話が大きくそれてしまいました。それでは、寺町御池から丸太町辺りまで散歩の足を進めて行きます。
寺町通沿いには、さまざまなお店があり、非常に興味深い出会いがあります。ここは、囲碁の本因坊発祥の地とも言われており、散歩の休憩に便利な碁盤形をしたベンチもあります。
「下御霊神社」には怨霊の鎮魂があり、御祭神のおひとりには「御霊神社」でもお話ししましたが、早良親王がおられます。疫病厄災から守護してくれる神社ですから、手を合わせておきましょう。
「下御霊神社」には、若い人から年配の方まで御朱印集めがブームだそうで、「京洛八社集印めぐり」を目的に京都まちなか散歩をしている方も多く見られました。神社ごとに朱印の色が違うこの八社巡りは、完成後がとても鮮やかな色紙となることもあり、京都観光客から人気があるとのことです。
本日は、ちょうど祭礼をされているタイミングでしたので、御神輿や寺町通沿いに多くの露店が出ていました。こんな露店を眺めるのも、京都まちなか散歩の楽しみの一つです。
散歩の締めは、ひょんなことで知ったこちらの「それから」さんといたしましょう。アンティークの雑器が飾られている、小粋でとても小さな喫茶店です。珈琲の香りに包まれながら、坪庭を眺めていると心が洗われていくようです。
最近はチェーン店のコーヒーショップが増えていますが、やはりこのような個人のお店が落ち着きますね。京都にお越しになるご予定でしたら、全国どこにでもあるお店ではなく、京都まちなか散歩ならではの場所で、ゆったりとした時間を楽しんで頂ければと思うのです。
参考URL
http://shimogoryo.main.jp