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花を求めて(植物園 その3)

日本人にとって「紫」は、遥か昔より特別な色とされてきました。神々しく、華やかで、それでいて奥ゆかしい雰囲気を感じます。

京都まちなか散歩を続け、数えきれないほどの美しい花と出会って来ましたが、大田神社のカキツバタ上御霊神社のイチハツを初めとした紫の花は、心に深く残っている散歩の光景です。

そんな折、「もうすぐ梅雨ですよ」と伝えるような生暖かい風が、感じられる京都まちなか。新聞誌上の「植物園つうしん」にあった、はなしょうぶの紹介が目にとまりました。

本日は夏を思わせるような暑い6月初旬ですが、紫色の尊い姿に出会うことで煩わしい暑さも退いていくことでしょう。「京都府立植物園」へ、京都まちなか散歩へ出かけることにします。

京都市左京区にあります「京都府立植物園」は、「梅」「桜」「椿」など日本の四季を楽しめるエリアから、洋風庭園、熱帯植物、なからぎの森など、多種多様な生きた植物の博物館です。

1年を通して花を感じることができるため、花を求めての京都まちなか散歩では3度目の訪問となります。広大な敷地の中、「はなしょうぶ園」を目指して散歩を始めます。

初夏の訪れを告げる花、はなしょうぶ。この「京都府立植物園」では、約150品種、10000株のはなしょうぶを見ることができます。青、紫、白の色彩が葉の緑に映え、ため息が漏れてしまうほど優美な情景でした。

ひとつひとつにそっと散歩の足を近づけ、じっくりと花弁を眺めます。江戸系、肥後系など、それぞれ異なる特徴を持つのですが、どれも美しく、洗練された形をしています。
珍しいキショウブとも、出逢うことが出来ました。

さて、はなしょうぶ園を抜け、沢に沿って散歩を続けますと、あじさい園が見えてまいります。毎年6月頃に見ごろを迎えるあじさいですが、こちらでは約180種類のあじさいが順に咲き始め、7月上旬まで楽しむことが可能です。

あじさいも初夏の訪れを感じさせる花で、樹々を背景に咲く姿には、美しさだけでなく、揺るがない逞しさを感じます。雨の降る日に、こちらを散歩するのも一興でしょう。

さらに、噴水を横目見ながら京都まちなか散歩を進めますと、バラが咲き乱れる洋風庭園に辿りつきました。

先ほどまで「日本の初夏」を体感してきた直後ですので、異世界に飛びこんだかのような気分です。幾重にも重なった美しい花びらが、陽の光を一身に受けて輝いていました。一面に漂う甘い香りに、思わず頬が緩みます。

「京都府立植物園」のバラ園では、毎年約270品種、1300株のバラが花をつけるとのことです。ちょうどはなしょうぶやあじさいと開花時期が重なるため、「和洋の初夏」を同時に味わいたい方にはおすすめの京都まちなか散歩スポットと言えます。

はなしょうぶを求めて「京都府立植物園」へ参りましたが、あじさいとバラも堪能することができ、本日はとても贅沢な散歩となりました。京都の四季を確実に、ゆったり眺めたい時は植物園に限ります。

また、夏に足を運ぶことを考えながら、本日の京都まちなか散歩を終えることにします。

参考URL
https://www.pref.kyoto.jp/plant/index.html

京都府立植物園

 

miyaby

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