「京都迎賓館」は、なじみが薄いのですが、国公賓などの賓客をおもてなしする施設です。国内には、「赤坂迎賓館」と「京都迎賓館」があり、「京都迎賓館」は京都市上京区、御所の東に位置し梨木神社の裏手にあります。今回、京都まちなか散歩で足を運ぶに際し、好奇の目でもって訪問することとしました。
4年ほど前でしょうか、どのような施設なのだろうと思い、一度訪れたいと感じておりました。それで、見学の申込みをしましたが選に漏れました。少しほろ苦い思いもあり、ずっとほったらかしておりましたが、今回再度予約を行いましたところ当選し、足早に参りました。
※2018年10月追記
2018年7月以降は、19人以下の個人は事前予約不要となりましたので、これまで以上にぶらりと訪れることができます。接遇に使われる場合は一般公開されない場合もありますので、内閣府のホームページをチェックしてから訪問されることをおすすめします。また、混雑が予想される日程やガイドツアーを希望される場合は、事前予約を推奨しているようです。
さて、京都の春を満喫しながら散歩していきますと、まもなく「迎賓館」が見えて参ります。賓客をおもてなしするための施設ですが、意外にも贅沢な感じはなく、和と気品を重んじている雰囲気だと感じました。
2005年の秋、当時の小泉純一郎首相とブッシュ大統領が「金閣寺」を訪問されるとのことで、この「京都迎賓館」に来られました。アメリカ大統領ですから、京都市内がそれはそれは超厳重警戒と大渋滞で、まちなかが大混乱だったことを記憶しています。
「聚楽の間」
最初に拝見したのは、ロビーとして位置付けされる空間です。招待したゲストや関係者の待合として使用されます。人間国宝が手掛けた花器や屏風、西陣織の椅子などが京都風情を醸し出しています。
「夕映えの間」
次に見学したのは、70名まで収容可能な大広間です。壁には、京都の東西の山(比叡月映、愛宕夕照)を表現した綴織りで装飾されていることから、この名前がつきました。国際会議などにも使用されるとのことです。
「藤の間」
ここでに足を踏み入れた瞬間、思わず止まりました。「京都迎賓館」で最も大きな部屋であり、晩餐会等の会場として使用されているとのことです。壁面は、39種類の日本の草花が織り込まれた綴織り(「麗花(れいか)」というそうです)で装飾されており、大変美しい光景でした。
各国の要人をもてなす厨房も見学できました。よほど丁寧に扱われているのでしょう。新品のようにピカピカです。
こちらは「桐の間」という和室です。和食を提供する晩餐室で、来賓を京料理でおもてなしするとのことです。せっかく京都へ来て頂いたのですから、京料理は是非召し上がって頂きたいところです。私も散歩の帰りに京料理をもとめて出かけたくなりました。
贅沢な装飾や作品、部屋の作りなどはVIPを接遇するのに十分すぎるものでした。一方で、観光客の会話から「これも税金で建てたんだよね」とこっそり聞こえてきましたが、今回は触れず、日本の和と気品に満ちた「迎賓館」だったと締め、京都まちなか散歩を終わりにしたいと思います。
それにしても入館料1000円は少しお高いと思いますが……。
※2018年10月追記
2018年10月1日より、入館料がさらに引き上げられ1500円となったそうです。
その代わりではありませんが、見どころを解説するデジタルサイネージが設置され、参観ガイドアプリの運用も始まったとのこと。スマホをお持ちでない方は、アプリ専用タブレットの無料貸し出しもあるそうです。
さらにお高くなった迎賓館ですが、新システムが気になりますので機会があれば再び散歩へ訪れてみたいと思います。