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まちなかぶらりん(鷹峯界隈)

「鷹峯(たかがみね)」の地は、京の七口の一つ、長坂口にあたります。京都に住まう人たちにとっては二つの意味を持ちます。一つは鷹峯三山である山としての意味、そして「鷹峯街道」を中心に広がるまち「鷹峯界隈」です。今日はこの鷹峯界隈の方を目指して、ぶらり京都散歩へ出かけることにいたします。

散歩の最初の目的地は「光悦寺(こうえつじ)」です。思えば、初めて「光悦寺」を訪れたのはもう数十年前、父が連れて来てくれたことを記憶しています。季節はいつ頃だったのか定かではありませんが、確か晩夏であったと思います。

その後、「鷹峯」は「光悦寺」や「源光庵」といった京都でも有数の素晴らしい紅葉の見られるスポットだと知りました。京都には多数の紅葉スポットがありますが、こちらも紅葉散歩先の一つとして、是非覚えておきたいエリアと言えます。

この「光悦寺」は「琳派」の祖とも呼ばれる有名な文化人「本阿弥光悦」が庵を結んだ地で、界隈は「光悦村」と呼ばれる芸術の拠点でした。かつては芸術家たちが京都へ集い、55軒もの家屋が軒を連ねていたとのことです。そのせいか、散歩であたりを行き交っている人たちの中には、芸術家風の方がおられるようにも感じます。

かつて車を走らせ、国道162号線を福王子から高雄方面に行き、さらに府道西陣杉坂線に進み、ようやくまちに出たなあと感じたあたりが「光悦寺界隈」だったことを記憶しています。高雄~杉坂~鷹峯を巡りぐるっと一周して来たような感じを持ちました。

途中、「京見峠」を通った際に「峠の茶屋」というお店がひっそりとありました。「にしんそば」を食べたことがある懐かしいお店でしたが、当時のような活気は感じられませんでした。

その後調べてみると、こちらのお店はすでに閉店してしまったとのこと。今となっては京都が誇る、懐かしい味を一つ失ってしまい、大変残念に思っています。

そんなことを考えていたからでしょうか。その後もぶらりと京都散歩を続けていた私ですが、「光悦寺」まで行きながら、なんと「源光庵(げんこうあん)」を素通りしてしまったのです。

「源光庵」は、仏様の思いが込められた丸い「悟りの窓」、そして四角い「迷いの窓」がある曹洞宗の寺院です。次に京都散歩にて訪れる際は、二つの窓の前で沈思しようと思っています。悟りの境地を教えてくれるとされる窓、その厳かさと美しさは、言葉には出せないほどですので、是非ご自分の足で京都散歩にて訪れて頂きたいと思います。

「源光庵」のすぐそば、同じく窓で有名な「常照寺(じょうしょうじ)」の存在も忘れてはいけません。紅葉が美しい、吉野大夫ゆかりの寺院で、「吉野窓」と呼ばれる大きな丸窓や、朱塗りの「吉野門」が印象的です。紅葉シーズンには野点も行われていますので、お抹茶好きな方は京都散歩にて訪れるのも一興でしょう。
秋に訪れる京都散歩は、また格別な趣を感じます。

 

miyaby

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