ここ数日の京都は、見事な快晴の日が続いております。まさに京都まちなか散歩日和、といったところでしょうか。
本日散歩へと向かう先は、以前にもご紹介しました平野さん(平野神社)です。平野さんは京都屈指の「桜の名所」ですから、花を求めての京都まちなか散歩コースから外すわけにはいきません。
私の中でもお花見と聞いて、真っ先に思い浮かぶ上位に「平野さんの桜」が入っています。境内には約400本の桜があり、種類も60種と絶好のお花見スポットです。
中でも有名なのは「魁(さきがけ)の桜」でしょう。かつてこの早咲きの桜は、春風とともに京都へ花見シーズンが訪れたことを知らせる、シンボル的な存在でした。今年もこの花の開花を皮切りに、境内の空は淡いピンク色で埋め尽くされています。まさに豪華絢爛という言葉がふさわしい咲きようです。
毎年3月下旬からはライトアップ、4月10日には桜花祭が行われます。京都に春が訪れると、毎年「平野さん」は多くの人々が行き交うのですが、「花を静かに愛でる」というより、「喜びを皆で分かち合う場」、そんな風に感じます。
このような光景が、遥か昔から変わることなく繰り返されてきたのでしょう。「平野さん」で散歩の時間を過ごしていると、「京都の人々とのつながりや絆」を強く感じずにはいられません。
さて、次に「平野さん」とは対照的な、観光の方にはあまり知られていない京都まちなか散歩スポットへ向かいます。こちらは、過去に京都まちなか散歩の途中で偶然出会って以来、毎年会いに行くようになった所なのですが、個人的には「まちなかの隠れた名所」ではないかと思っています。
まず訪れましたのは、「西ノ京橋」という小さな橋です。「平野神社」から西大路通をずっと下がりますと円町の交差点に出て参ります。円町から少し東に行くと紙屋川が流れており、そこに「西ノ京橋」と桜があります。
散歩の足取りも軽く歩いていきますと、紙屋川を覆うように美しい薄桃色が広がっていました。写真を撮っておりましたら、外国人観光客が集まって来ます。桜を美しく思う気持ちは万国共通ですね。もう少し愛でていたかったのですが、外国人との交流は得意ではありませんので、そっとその場を譲ることにしました。
京都に広がる青空の下、まだまだ花が待っていると思うだけで、気持ちが弾みますね。次にやってきましたのは、JR二条駅前のターミナルです。訪れた人々を歓迎するかのように、活き活きと枝を広げていました。
さて最後はこのまま「二条城」に向かってのんびり歩いて参ります。二条城は京都が誇る桜の名所ですが、今日の散歩先は城内ではありません。二条城外堀の南側から神泉苑の裏側、押小路通沿いにありますこの枝垂桜に会いに来たのです。
こちらも、優美な枝ぶりに心を奪われて以来、毎年欠かさず訪れています。もちろん今年も、道行く人の目を楽しませてくれていました。神社や庭園に咲く桜は大変雅で、芸術的な美しさを感じますが、こうした「人々の生活に寄り添っている花の風景」も愛おしさを感じます。
京都まちなか散歩からの帰り道の途中で、先日ご紹介した「椿寺」にも寄って行こうと、ふと思い立ちました。「思い立ったが吉日」ではないですが、とても良いタイミングだったようで、散椿(五色八重散椿)が色鮮やかに咲いており絵画となっておりました。。
このように京都まちなか散歩には、心の赴くままに歩む気ままな散歩だからこそ、出会える大切な瞬間があるものです。今日もこうして、たくさんの尊い花たちと出会うことができ、大満足の一日となりました。
参考URL
http://www.hiranojinja.com/