京都の庭園はいずれも素晴らしく感動しますが、本日はその中でも石庭で有名な「龍安寺(りょうあんじ)」を眺めたいと言う気持ちが高まり、京都市右京区へと散歩の足を伸ばすことにいたしました。
「大雲山龍安寺」は、臨済宗妙心寺派の名刹です。室町幕府管領細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け、妙心寺の義天玄承を開山として創建されました。
本日の京都まちなか散歩で目的としております石庭ですが、もちろん「龍安寺」以外の寺院で拝観することも可能です。これまで京都まちなか散歩で種々の石庭を拝観して参りましたが、それぞれ似ているにも関わらず、醸し出される趣きはやはりどこか異なることに気付きます。
こちらの「京まちなか散歩道」でも以前、「東福寺」や「龍源院」の庭を紹介しましたが、それぞれに風情というのでしょうか、その空間に流れる気(気流)が違うなと思い出されるのです。
そのような庭園のことなど思い起こしていると、京都まちなか散歩の足が「龍安寺」へと到着しました。「龍安寺」の特徴は、南側にある大きな「鏡容池(きょうようち)」でしょう。水辺があることによって、美しい草木や花を楽しめる散歩先としても知られています。
この池も気になるところですが、まずは山門をくぐり、石庭へ散歩に向かいます。これまで訪れた庭園と同じく「方丈の廊下に腰を下ろしじっくり庭と対峙したい」、「沈思して庭と語り合いたい」という気持ちがもこもこと湧いて来ます。
静かに景色へと身を任せ、じっとしていますと自然と半眼になり、無とか三昧とかが頭をよぎります。そして、バタバタとしている日常の心が少しずつ落ち着いていくのがわかります。
「七五三の庭」とも呼ばれる石庭には大小15個の石が配されています。この構図が意図しているものをあれこれと悩んでみるのも「龍安寺」への京都まちなか散歩では一興です。
こちらの石庭は、他にも「虎の子渡しの庭」と称されることもあります。これは、中国の逸話である「虎、彪(ひょう)を引いて水を渡る」に由来しており、母虎が、小虎を共喰いさせぬよう考えた、岸から岸への渡し方の話です。こうした逸話から、この庭の謎解きをさらに進めてみるのも興味深いです。
こちらもまだまだ景色は冬模様。冷たい空気の中での庭園散歩も嫌いではないのですが、やはりそろそろ春が恋しくなってまいります。桜が咲くころ、ふたたび京都まちなか散歩へと足を運び、石庭そして花咲く景色と相まみえんと思っています。
写真は「鏡容池」です。平安時代には公卿が舟を浮かべて楽しんでいたと言う話が残っています。ここからの眺望は格別ですので、京都まちなか散歩の際にはシャッターに収めたくなります。
15個の石は何を物語っているのでしょう?
一説では、どの角度から見てもすべての石を確認することができず、必ず一つは見えないようになっているとかいないとか。
秀吉が賞賛した「侘助椿(わびすけつばき)」です。名前は侘助という人物が朝鮮より持ち帰ったことに由来すると言われています。侘び寂びを感じることのできる花の美しさで、秀吉だけでなく千利休をはじめとする茶の世界の人たちからも好まれていたとのことです。
参考URL
http://www.ryoanji.jp/smph/index.html