京都市左京区に「京都府立陶板名画の庭(GARDEN OF FINE ARTS,KYOTO)」と言う名画に触れられる所があります。美術館の中には、有名画家が手掛けた世界で唯一の作品を展示している展覧会などが多いですが、こちらは少し趣きが違います。
陶板画という手法があるのですが、これは原画を撮影したポジフィルムを陶板へ転写するという新しい技術です。本日京都まちなか散歩で訪れる予定の「京都府立陶板名画の庭」は、この陶板を利用した世界で初の美術館だと言われています。
目的地へ散歩の足が到着するまで、私の頭に浮かんでいたのは、漱石先生の草枕の冒頭でした。
「あらゆる芸術の士は、人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い」
私は芸術には疎く、画を見ると「これは何を意味しているのだろう?」とか「作者は何を伝えようとしているのだろう?」といつも問いかけをし、その答えを求め、考え込んでしまいます。
しかしながら、画でも文章でもあらゆる芸術に対して「素晴らしい!」と感じればそれでいいではないかと感じるようにしています。芸術はひとり一人、自由な受け止め方で良いのでしょう。人の心を豊かにする、漱石先生、さすがです。
こちらでの京都まちなか散歩は何が良いと言いますと、名画が屋外展示されている点です。一般的な絵画は非常に繊細なため、美術館内で手厚く保管されていますが、こちらでは美しい絵画庭園と芸術に触れながら、散歩することが可能です。
また、ほとんどの絵画が原寸大で展示されているため、散歩をしながらその迫力を生で感じることができます。著名な作家が、これほどの大きなキャンバスを前に、想いを描いていたかと思うと感慨深いものです。
さて、そんなことを考えて散歩を続けていると「京都府立陶板名画の庭」が見えて参りました。この美しい庭は安藤忠雄さん設計とのことで、水とその流れ、流れる音が体感できるというのもキーワードではないかと感じました。細かな滝からは水粒があふれ、とても心地良い空間での散歩の時間となりました。
以下は本日私が目にしました、作品の一部です。有名な作品ばかりですが、画の作品名等は窓口でいただいたパンフレットを拾って記載しています。芸術に触れられる京都のまち、次に散歩へ訪れる際には、もう少し勉強しておこうと思います。
モネ作 「睡蓮・朝」
(伝)鳥羽僧正作 「鳥獣人物戯画」
(伝)張澤端作 「清明上河図」
レオナルド・ダ・ヴィンチ作 「最後の晩餐」
ミケランジェロ作 「最後の審判」
スーラ作 「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」
ルノアール作 「テラスにて」
ゴッホ作 「糸杉と星の道」
参考URL
http://kyoto-toban-hp.or.jp/