京都は歴史の中で、様々に変遷して来たまちです。平安京が敷かれたこのまちでは、当時ことある毎に怨霊が現れ、その鎮静あるいは鎮魂に時の権力者たちは躍起になりました。公家も武家もこのまちが持つ権威に認められることを欲し、われ先にとこのまちを目指しました。藤原、平、源、足利、織田、豊臣、徳川・・・、自らの権力を確固たる地位にするための権威付けです。明治の到来と伴に東京遷都がなされ、京都は京になりましたが、あらゆる社会様相や文化や儀礼が幾重にも重厚に絡む独自の権威は今もって変わることがありません。こうした権威に裏づけされてきた伝統は、オモテもウラもありそうですが、これからも進化し続けるのだと感じています。まさに「進化しつづける伝統」です。
ぶらぶらと散歩をしながら、このまちの通りに佇み、ふと立ち止まって静観している己に気づく、そんな不可思議さ感じさせてくれるまちが京都ではないかと思わざるを得ません。