京都にはこのまちを愛し、まちなか散歩をすることでより深く良さを知ろうとしている人たちがたくさんいます。そのため、散歩の達人との出会いも楽しめる「まちなか散策講座」などの講座もあり、参加させて頂いています。
その講座で大変興味深かったのが、京都市左京区にある「北白川界隈」での散歩でした。テーマは、「そのまちの「名物」をたずねて 北白川界隈を歩く」というものだったのですが、北白川といえば、まちなかからは少し北に外れており、散歩道と言うよりは高級な住宅地というイメージがあります。
京都まちなか散歩としてはメジャーではないこの地で見つける「名物」がどんなものなのか、ワクワクした気持ちで叡電電鉄茶山駅より出発いたしました。北白川は「京都大学」や「京都造形芸術大学」に近いため、多くの学生が行き来しています。
落ち着いた佇まいで知られる「銀閣寺」にも近く、アカデミックかつ静かで閑静な雰囲気の街並みが、散歩へ訪れた私たちを包み込んでくれました。
本日の講師の方は、「北白川」にお住まいとのこと。そのため、キビキビと周囲を案内してくださいました。オシャレなカフェにのどかな街並み、うっかりするとここが京都であることを忘れてしまう空間でもあります。
道すがら、「洛中と洛外の違い」、「京都人は?」などの話題で話が弾む心地よいぶらりん(ぶらぶら歩き)でした。
皆さまは「井上章一」さんの、「京都ぎらい」という書籍をご存知でしょうか?
京都で生まれ、京都で育った著者が京都の嫌いな部分を綴っているのですが、京都に住まう私も客観的に(第三者的に)、とても面白く読める内容の濃いものでした。
「京都ぎらい」作中には「ええか君、嵯峨は京都とちがうんやで……」という箇所がありますが、小学生の頃、私もそのように教えられたことがあるようなないような記憶があります。今となっては「なんやそれ?」ですが、京都に限らず人の心には縄張り的な意識が隠れているのでしょう。
駒井家住宅です。駒井家は京大名誉教授である「駒井卓」博士の私邸であり、日本における数々の洋風建築に携わった、ヴォーリズ建築事務所の昭和初期における代表的な作品とのことです。
現在は「駒井卓・静江記念館」となっており、内覧することも可能です。京都の登録文化財にも指定されている、新しさと懐かしさを感じられる邸宅となっています。
rondokreato~梅棹サロン~です。こちらは京都出身の民俗学者「梅棹忠夫」さんの旧邸が改装され、ギャラリーとしてオープンしています。大阪府吹田市にある、「国立民族学博物館」の初代館長としても知られている方です。
散歩の足を休めながら、画廊のレンタルスペースがあるカフェで、のんびり芸術に浸るのも良いですね。
銀月アパートメントです。ここにはかつて、画家である「竹久夢二」さんや、映画監督である「大島渚」さんも住んでおられたそうで、映画「 鴨川ホルモー」にも登場した場所とのこと。
講座の講師の方のお部屋を見せていただきましたが、この建物自体が非常に古く「底抜けへんか!」とひやひやが止まりませんでした。冷や汗を拭きつつ、今では中々見ることのできない、昔ながらの共同住宅風情を楽しませて頂きました。
今回の京都まちなか散歩では、北白川の歴史ある建物を訪問しましたが、その他にも北白川界隈には様々な見どころが待っています。今回の講座を通じ、京都観光や京都まちなか散歩へ是非訪れて頂きたい場所になりました。
参考URL
https://ja.kyoto.travel/search-keyword.php?keywords=%E9%A7%92%E4%BA%95%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85