桜の季節も過ぎ本日の京都まちなか散歩はどこへ、と考えた時に浮かんだのが、京都市民と寄り添うように営業されている造り酒屋の「キンシ正宗 堀野記念館」です。こちらには、町家文化を知ることのできる博物館もあり、懐かしい雰囲気に浸りながら散歩へ出向くことにします。
御所から南に位置する界隈を御所南と呼びますが、京都地方裁判所や多くの法律事務所、幼稚園、小学校など文教施設も多くあり、とても落ち着いた街並みです。
散歩の足を進め「御所」の堺町御門を出て、そのまま堺町通をずっと下がりますと、ちょうど二条通手前に瀟洒な町家があります。こちらが「キンシ正宗 堀野記念館」です。
京都のまちの風情と調和した建物で、江戸時代から酒屋をされており、酒蔵や酒を造る道具類など当時を伝える文化遺産として今なお継承されています。
京都の数ある酒屋の中でも「御所」や「二条城」に近く、また公家や藩邸も多くある立地ですから、お酒をお納めする機会も多々あったのでしょうと、と店の方からお聞きしました。
さて、ひとたび中へ散歩の足を踏み入れると、幕末~江戸時代の京都へタイムスリップしたかのようです。それもそのはず、この建物は旧堀野家の本宅であったのです。京仕込み発祥の地とも言われておりますので、過去には京都の酒好きがこぞってこちらへ通ったことでしょう。
現在は酒造拠点を伏見へと移しておりますが、現在もこの敷地内で京都町家麦酒醸造所が稼働しており、京都の地麦酒の歴史を受け継いでいます。
館内では、当時の町内絵図(堺町通を夷川通から二条通まで示している住宅地図のようなもの)を拝見しました。幕末のまちなかの様子を垣間見るようで、大変興味深く感じました。
次に2階へと京都まちなか散歩の足を伸ばします。この写真ように、上階に酒桶があるのはとても珍しいとのことでした。
文庫蔵には、酒造り関連の資料などが展示されていました。火に強い建物であり「蛤御門の変」でも酒を守ってくれた、頼もしい存在である蔵とのことです。
こちらは京都が誇る名水「桃の井」です。この水は、以前ご紹介いたしました「染井」と同じ水脈から湧いているとのことです。少し飲ませていただきましたが、くせがなくすっきりとした味でした。この水が数々の名酒を生み出してきたとのお話でした。
最後は、京都の名産品を購入できる売り場に立ち寄ります。こちらでは、京都町家麦酒醸造所で製造された地麦酒を購入できます。せっかく散歩へ来ましたので、私も1本買い求めました。
豊かな風味を誇る、京都の名水でできた町家生まれの地麦酒。京都まちなか散歩を終え、しっかり冷やしてから頂いたのですが、とても口当たりがよく、あっという間に飲み終えてしまいました。
「キンシ正宗」のウェブショップもありますので、是非ご賞味ください。
参考URL
http://kinshimasamune.com/horino/?m=pages/inochi