京都まちなか散歩と言えば、神社仏閣というイメージが強い方も多いでしょう。しかし、歴史ある建造物は寺院や神社だけではありません。本日は、気軽に訪れることができ、明治時代の風景を醸し出している「同志社大学」へと散歩してみます。
目的地を「同志社大学」へ定め、「烏丸今出川」で立ち止まると、南には緑豊かな御所が広がります。そこから北へ目を向けると、赤レンガの建物が穏やかに目に映ります。
さらに「烏丸通り」を北へ、徐々に散歩の歩を進めると、大学西門へ到着。視線の先には斬新な「良心館」、そして向かい側にはアカデミックな「寒梅館」が現れます。そこからさらに北へ散歩の歩調を進めると「志高館」へとつながるこの様相。和のイメージが強い京都ですが「烏丸今出川界隈」はまるで、赤レンガが眩いまちなかカルチェ・ラタンといった装いとなっています。
この「同志社大学」は、京都が誇る幼稚園から大学院までを擁する総合学園で、ブランド力においても入試難易度においても日本有数の私学と言っても差し支えありません。
各界の著名人を多数輩出しているのですが、作家の「筒居康隆」氏や俳優の「生瀬勝久」さん、フェンシング銀メダルの「太田雄貴」選手などが有名です。近年活躍が目覚ましいカズレーザーさんや岡崎体育さんなども、この大学の卒業生です。散歩ですれ違う若者たちも、未来の著名人かもしれませんね。
京都のまちを見守る「同志社大学」ですが、そもそもはキリスト教を信仰していた「新島襄」が京都寺町に開校したことから始まります。国禁を犯し、明治維新を迎えた日本に戻った彼は、“新しい時代に新しい市民のため”という思いを掲げ、大学設立という強い意志で奔走しました。
「良心教育」を建学の精神に据え、「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」を教育の基底とし、その精神は今もなお新島スピリットとして引き継がれています。
さて、京都まちなか散歩で「同志社大学」付近を訪れる度、ふと想起することがあります。それは、国家政策としての「廃仏毀釈」や「神仏分離」が進められていた当時の京都では、おそらくキリスト教に対しても相当な偏見があったのではないか、という点です。
このような時代情勢の中で、「御所」のお向いにキリスト教主義の英学校ができたというのは、奇跡ではないでしょうか?京都の人間は、新しもん好きですが、それでもはじめは賛同少なしではなかったかと想像せずにはいられません。
その難局を乗り切ったのは、一言「山本覚馬」に尽きると思われます。ハンサムウーマンとして名の知られる「新島八重」を妻とした「新島襄」その「八重」の兄である「山本覚馬」は「新島襄」亡き後、全身全霊で大学の設立に尽力しました。
「同志社大学」を京都まちなか散歩で訪れた際は、是非オシャレな学食「Hamac de Paradis」へも立ち寄ってみてください。今出川キャンパス内にあるこの学食は、ちょっとしたレストランと見間違うほど、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
日替わりランチは500円、もちろん一般利用OKです。混み合うお昼の少し前に到着するよう散歩のタイミングを調整するのがおすすめです。奇才「森田恭通」氏が手掛けたインテリアと美味しいメニューで、疲れた体が癒されていきます。
参考URL
https://www.doshisha.ac.jp