かつて平安時代の日本では、平安京の中心に「大極殿」が位置し、政治の中心となっていました。そのため、私が京都を散歩する際、特に京都のまちなかを散歩する場合は、どうしても大極殿を起点と考え、散歩道を練ってしまう傾向があります。
今日はそんなぶらりの基本、京都「大極殿」を散歩先に選んでみました。
「大極殿」とは、「大内裏朝堂院」の正殿に当たります。天皇の即位礼や国家的重要儀式が行われていたほど、歴史的にも、文化的にも価値のある建物だと言えます。
平安京の造営には深く風水が関係していると言われていますが、風水でいう、最も気の集まるポイント「龍頭」が「大極殿」であったとされています。「大極殿」から北へ数キロ散歩した先にある小高い船岡山も「龍頭」だという説があるため、ぶらり散歩の際は是非訪れてみて下さい。京都にはたくさんのパワースポットがありますが、「大極殿」もその一つだと言えますね。
これは京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)にあります平安京復元模型です。美しい碁盤の目に、見ているだけで「次はどこを散歩しよう」と目移りしてしまいます。中央に朱雀大路がありその先に見えるのが「大内裏朝堂院」、右に見える池が「神泉苑」です。
参考URL
https://asny.ne.jp/souseikan/jyousetsu.html#mokei
現在では面影を見ることができませんが、千本通と丸太町通が交差する、千本丸太町界隈がまさに「大極殿」があったとされています。悠久の時を重ねた今、この地に立ち、そっと目を閉じると、羅生門まで抜ける南への大道、朱雀大路が脳裏に浮かんでくるようです。現代の京都の良さ、そして昔の風景、両方を感じながら京都の変遷を身に沁み込ませます。
さらに京都散歩を続けていくと、千本丸太町交差点や近くの内野公園にも、「大極殿」の説明板がありました。京都各所にある案内板や説明板には、それぞれの視点や書き手の思いが伝わり、散歩をしながら、眺めていると何故だかほっとさせられます。「大極殿」の近隣には出水の七不思議スポットもありますので、こちらのルートで散歩してみるのもおすすめです。
参考URL
https://ja.kyoto.travel/tourism/single02.php?category_id=8&tourism_id=882
千本丸太町、千丸あたりから西へ少し散歩していくと、次に出会うのが「豊楽殿跡」です。建物は消失し、現在は石跡となっていますが、新嘗祭や大嘗祭、外国使節入朝に際しての宴会等、国家的饗宴が行われた施設とのことです。
そういえば、以前この界隈で、長い期間をかけ、発掘調査が行われていました。機会があれば、私も発掘に参加してみたいという思いがあります。
参考URL
https://ja.kyoto.travel/tourism/single02.php?category_id=8&tourism_id=898
まちなか散歩の醍醐味はこのように、ふとした所での思いがけない自然や史跡との出会いと言えるでしょう。古都京都での散歩は、まちなかであっても「季節のうつろい」や「花の美しさ」を感じられる点が気に入っています。これはまさに散歩を通じて歴史や自然との出会い旅だと感じています。
さて、内野公園にある大極殿址から、ぶらり散歩を続けていくと、そこには栗菓子のお店「京菓匠 栗阿彌(りつあみ)」があります。江戸時代から歩き疲れた時には「茶屋で甘味」でしたが、これには私も大賛成です。早速、店名の入った栗の和菓子「栗阿彌」をオーダーし、しばしの休憩。
大粒の栗だけを厳選した、甘納豆ならぬ栗納豆である「栗阿彌」
上品な見た目だけでなく、中身も品の良い、深い味わいとなっています。渋皮の風味を楽しんでいると、京都が生み出す自然に感謝の気持ちが生まれますね。
「京都と和菓子」この最高の組み合わせは、京都散歩では欠かせないものです。
まちなか出会い旅を求めるなら是非、ぶらぶら散歩をしながら、ふらり入ったお店で、目も舌も癒やされてみてください。
平安京朝堂院 大極殿跡