愛宕古道街道灯し(あたごふるみちかいどうとぼし)は、地蔵盆の時期に化野念仏寺の千灯供養に合わせて行われます。まちかどのあちこちにはお地蔵さんが見受けられますが、お地蔵さんは子どもたちの守り神で、地蔵盆には日頃の感謝とこれからも子どもたちが元気に育っていきますようにという願いが込められています。子どもたちにとっては、夏のお楽しみとして待ち遠しい地蔵盆ですが、最後の福引が一大関心事で、かつては「ふごおろし」が行われ、大人も子どもも心躍らせたものでした。滑車のついた大きな箱(福引の景品が入っています)を家の2階の窓からロープで繋がれた数メートル先にある地べた近くのポイントまで箱をおろすというもので、箱の中の景品が見せられ福引券の番号が呼ばれると一堂に会した子どもたちからは歓声やがっかりの声が上がります。今となっては古き良き風物と言えるかもしれません。
街道灯しでは、愛宕神社から旧愛宕街道沿いに子どもたちが作った提灯や京都嵯峨芸術大学の学生が作った巨大な提灯が飾られ、やわらかな明りと街道沿いの家並みが相互に調和し異空間にいるような錯覚を感じてしまいます。